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2010年5月 1日 (土)

外泊はイヤ

 避妊手術をきっかけに、意外と神経質なところがあることがわかったガチャ子さんでしたが、入院中は先生や看護師さんにかわいがられたようです。人見知りをせずに甘え、ご飯もぱくぱく。手のかからない入院患者だったようです、この時は。

 時は流れて、父が亡くなり弟も自立をした後、私は母を旅行に誘いました。私たちが一緒に出かけてしまうと、ガチャ子さんをみてくれる人はいません。二泊三日の短期の旅行だったこともあり、避妊手術でお世話になった動物病院に預けたのですが、この時は大変だったようです。
 昼となく夜となく「だせ~だせ~」の大騒ぎ。ご飯も食べずに先生の顔を見るたびに怒りまくり。

 旅行から帰った後ガチャ子さんを迎えに行ったら、先生に言われてしまいました。「この子を預けての旅行はやめた方がいい。かわいそうだ」

 思い返してみると、避妊手術以降、ガチャ子さんは家を離れたことはありませんでした。誰かが旅行や出張で家を空けたとしても、ほかの誰かが必ず居たため、ガチャ子さんが外泊する必要はなかったからです。
 若い頃から外泊に慣れさせていたのならばまだしも、当時すでに10歳を過ぎ、そろそろ老齢期に入ろうかという頃。適応能力が落ちていたとしても当然のことではありました。元々は人なつこい性格だったとはいえ、やはり無理なことだったのでしょう。

 ガチャ子さんを預けられなくなり、困ったのは飼い主側の方でした。旅行好きの母の願いは、年を取って体力が無くなってしまう前にできるだけあちこちへ行っておきたいということ。旅行の相手としては、融通の利く私が良かったようです。また、私にとっても気兼ねのいらない親子旅行は、格好の気分転換でした。
 ガチャ子さんを預けることはできない。でも旅行には行きたい、となると誰かに家に来てもらってご飯やトイレの世話をお願いするしかない、ということで、母の仕事の手伝いをしてくれている従姉妹にお願いをすることになりました。

 ガチャ子さんにとって従姉妹は、自分の家によく来る優しいお姉さん。ご飯もくれるし撫でてもくれる、ということで大好きな人の一人です。置いて行かれたことでガチャ子さんの方がふてくされて困った態度を取りはしまいかということは気になりましたが、とりあえず一度試してみることにしました。

 従姉妹の家は母の家のすぐ近く、というわけではなかったのに、一日二回来てくれました。おかげで私たちは安心して旅行を楽しめましたが、途中、何度か電話でガチャ子さんの様子を従姉妹に尋ねました。ガチャ子さんは攻撃的になることもなく、ご飯もきちんと食べていたようです。ただ、やはりいつもよりおとなしいとのこと。寂しかったのかもしれません。

 従姉妹には何度かわがままを言ってガチャ子さんの面倒をみてもらいましたが、腎不全が進行して嘔吐や下痢が頻繁になってくると、お願いをするわけにもいかなくなりました。

 今は私がガチャ子さんと暮らしていますが、幸か不幸か私が暮らすのは母の家から遠く離れた土地。母は、ガチャ子さんの顔を見に私の家に遊びに来る旅行の計画を立てているようです。

 猫と暮らしていると、当然のことながら人間の方も行動が制限されます。それといかに折り合いをつけていくかは個人個人によって違うのでしょうが、一つ言えることは、猫と暮らしていると、誰かの協力がどうしても必要な場合が出てくるということです。出張や入院など、よんどころない事情が発生する可能性はいくらでもあります。そういうときに、どうするかということも普段から考えておかなければならないことだと思います。

 年末、ペットシッターさんにガチャ子さんのお世話をお願いしたのも、そういう含みもあってのことでした。

 もうすこしたつと、どうしても帰省しなければならない用事が入る予定です。その時にはまたシッターさんにお願いをして出かけることになると思います。ただし、日帰りで。

 私の家に来てからは嘔吐や下痢の回数が減って体重も増え、血液検査の結果も安定しているとはいえ、ガチャ子さんを置いて外泊する気持ちにはなれそうもありません。

 私が寂しいから。

  
 

 

 

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