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2010年5月22日 (土)

飼い主離れ猫離れ その4 夢の中へ

 ガチャ子さんが半年足らずで私に見切りをつけたのに対し、私の深層心理はなかなか猫無し生活を受け入れがたく思っていたようです。
 一人暮らしに慣れた頃から、ある夢をよく見るようになりました。

 夢の中でも、私は自分のベッドで眠っています。眠っているのですが、誰かが足元の方からベッドの上にポンと乗ってくる振動で目が覚めかけます。
 誰かが乗ってきた―そう思ってなおもうつらうつらしていると、その乗ってきた「誰か」は私の頭の方に歩いてきます。その振動を感じながらそれでも目を開けずにいると、フンフン、フンフンと私の耳のそばで匂いをかぐ息づかいが聞こえます。
 ここで私は気がつきます。
 ああ、これはガチャ子さんだ。でも、私は今赴任先にいるのだから、本当にガチャ子さんがここに居るわけはない、夢を見ているのだ。夢ならば、もう少しこのままでいよう。ガチャ子さんの気配だけでも感じていよう。

 ここで目が覚めるのです。

 この夢は、なぜか夜眠っているときには見たことがありません。休日の昼下がり、暖かな日差しに誘われて午睡を楽しむときにしばしば見たものでした。

 私がこの夢を見ていたのは、実に数年にわたります。ガチャ子さんがとっくに踏ん切りをつけたにもかかわらず、私の方はいつまでも引きずっていたのでした。
 ガチャ子さんの代わりに夜な夜なぬいぐるみを抱いて寝ることこそしませんでしたが、祖母の危惧は確かに当たっていたのだと思います。

 飼い主離れより猫離れの方が難しい。

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